16. 熊本県の地盤と戸建住宅対策

中村 大樹
高原木材(株) 地盤サポート事業部

はじめに

熊本県は、九州のほぼ中央に位置し(図–1)、周囲を阿蘇山などの九州山地で囲まれており、西部は、有明海に面し、熊本平野、八代平野と広がっている。面積の約6割が山や森林であり、豊富な水資源に恵まれている。政令指定都市である熊本市は人口70 万人超の水道水を全て地下水でまかなわれており、人口50 万人以上の都市としては、日本で唯一である。熊本市は2013 年にオランダ・ハーグ市で開催された「世界水の日 国際式典」において、「国連“生命の水”最優秀賞」を受賞し、広域的な地下水保全の取り組みが世界的に評価されている。
また、熊本県では、資源となる木材が豊富にあるため、河川工事の根固め工や土木工事に木杭が使用される場合があり、木材が古くから利用されている地域である。( 写真–1)
上記のように、熊本県は、世界的にも稀な地下水が豊富な地域であり、場所により、特有の地質が存在するため、戸建住宅対策も様々な工法が用いられている。
これより、熊本県の地盤の地域性および用いられている戸建住宅の地盤補強工法の取り組みについて概説する。

 

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