7.土の圧密試験

上羽 康友
千代田ソイルテック(株)

はじめに

 圧密とは、細粒分を主体とした透水性の低い飽和粘性土が静的荷重を受けることにより、間隙水が排出され、間隙の体積が減少し、時間の経過とともに密度を増加させる現象である。
 粗粒土は、透水性が高く圧縮性が低いため、圧密は短時間で終了する。また、圧密量も小さいので、住宅地盤においては大きな問題となることは少ない。しかし、飽和粘性土は、透水性が低く圧縮性が高いため、長い時間をかけ大きな圧密量を生じる。このため、住宅建築から数年、数十年後に建物の沈下として表面化し、問題となることがある。
 写真–1は、圧密地盤を豆腐で表し、圧密沈下を視覚的に表現したものである。建物模型の荷重により、豆腐の中の水が排出され、豆腐が圧縮されて、建物の模型が沈下している様子がわかる。
 本稿では、地盤から採取した乱れの少ない試料を用いて、地盤の沈下量や沈下時間の推定に必要な圧縮性と圧密定数及び圧密降伏応力を求めるための圧密試験の方法を紹介する。

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