3. 特殊土における住宅地盤対策~泥炭地盤~

長谷部賀宣
會澤高圧コンクリート(株)札幌支社

はじめに

本稿では、北海道で分布している特殊土として「泥炭」を取り上げる。

 

泥炭とは

泥炭とは一般に主として湿性植物の遺体が、低温多湿の条件の下で長年に渡り分解が不十分なまま自然に堆積してできた高有機質土のことをいう。 土質工学会編「土質工学用語辞典」によると一般に5%以上の有機成分を含む土を工学的な意味での有機質土といい、有機成分を約50%以上含むものを高有機質土(泥炭、黒泥)、それ以下のものを低有機質土(黒ぼくなど)としている。高有機質土のうち、「未分解で繊維質なもの」が泥炭、「分解が進み黒色なもの」が黒泥とされているが、明確で定量的な区分はない。
また地盤工学会では「地盤材料の工学的分類」により、目でみた感じと握った感じで有機物を多く含むものを有機質土(略号Pm)と呼んでいる。さらにフォンポスト(VonPost)法として、この土を握りしめた時に絞り出されてくる水が白色~褐色で手に残ったものに植物の繊維が観察できるものを泥炭(略号Pt)、さらに分解が進んで黒色の泥状のものが絞り出される土を黒泥と分類している。この様な基準のため、個人差が出ることがある。

泥炭とは

 

 

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