東京都の地形・地盤


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東京都の地形・地盤
 
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●地形
 東京都は、関東平野南西部の内陸地と南方洋上に分布する伊豆諸島・小笠原諸島などの島嶼部からなる。

 内陸部は東西約85km、南北約25kmの細長い地域を内包しており、山地、丘陵、台地および低地によって構成される。
 山地帯は関東山地の一部にあたり、多摩西部を広く覆っている。雲取山(標高2017m)を頂点に大起伏の険しい山容を呈して おり、東に向かって徐々に標高を下げて山麓地を形成し、多摩川以北で武蔵野台地に、以南で多摩丘陵にそれぞれ接している。
 多摩川以北に分布する武蔵野台地は、荒川低地西縁までの広範な地域に及び、関東ロームを主体とする数段の台地面で構成されている。東村山市・東大和市・武蔵村山市の各北端には、関東山地山麓部から離れた残丘状の狭山丘陵
が一部属する。
 多摩川以南に分布する多摩丘陵は、河川浸食による開析が著しく、谷が樹枝状に分布する複雑な地形となっている。丘陵南縁に沿う神奈川県境には相模原台地がわずかに属する。
 低地の形成は、大小河川の流域と開析谷に見られ、多摩川河口部や古東京湾の海退によって生じた東京低地などが広く分布している。

 島嶼部は、糸魚川-静岡構造線*1に沿って連なる富士火山帯に属し、火山地を形成している。

*1.列島中央部を南北に横断する構造体フォッサマグナの西縁をなす地質上の大断層。

 

●地盤
・山地
 各種岩盤類が基盤を形成し、その上位を黒ボク土や森林性有機質土、岩盤風化土砂などが被覆している。
 宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。

・丘陵地
 山地に比べ起伏量の小さい部分。基盤構成はほぼ山地に準じ、上位を黒ボクやローム土が被覆する。
 宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。

・台地
 砂礫や泥流堆積物により形成された地形面(洪積台地・段丘面など)の上位に、火山灰質の関東ロームが厚く分布する。ロームの層厚は、被覆している下位地形面の形成年代や地質構造によって、大きく異なる。
 住宅地盤としては良好と考えられるが、ロームの分布地域では地表付近を黒ボク土(有機質土)が厚く被覆する場合もあるため、注意を要する。

・低地
 河川流域や開析谷および沿岸部に分布し、いわゆる沖積層を成す。
 河川によりもたらされる土砂や浸食二次堆積土を主体とし、砂や砂礫、砂質シルトなどを混在することが多い。
 住宅利用を考えた場合、軟弱地盤を形成していることが多いため、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。

 

  参考文献
  「地質と調査 通巻第83号/2000第1号 連載30-東京都の地盤」(発行:土木春秋社)
  「日本の地質3 関東地方」(発行:共立出版株式会社)
  「日本の自然 地域編3 関東」(発行:岩波書店)

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最終更新日:2005/07/25