宮城県の地形・地盤


宮城県の地形・地盤

宮城県の地形・地盤

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●地形
 県西側の境界は東北地方を南北に貫く奥羽山脈にあたり、栗駒、鬼首(おにこうべ)、鳴子、船形、蔵王の各火山群を伴う。東北部(気仙沼・石巻)には北方より北上山脈が延長して、牡鹿半島に達しており、沿岸部は半島や岬が鋭角に突き出して、細長い湾や入江を複雑に形成するリアス式海岸の様相を呈する。
 奥羽山脈の東方にはこれと平行して、幅10〜30kmにも及ぶなだらかな丘陵地帯―陸前丘陵―が分布する。この丘陵地帯には県内の地形的特徴の一つである小規模な山間盆地群が展開している。また県南側の境界は丘陵地性山地と阿武隈山地により福島県に接しており、その北端は名取平野に及ぶ。
 県東側には丘陵地帯を開析する内陸性の広大な氾濫原や臨海の三角州性低地が分布―仙台平野―しており、その形成には奥羽山脈を水源に東流する迫、江合、鳴瀬、名取(広瀬)、七北田、白石川などとその支流、岩手県側から南流する北上川、福島県から北流する阿武隈川などの河川が関係する。各河川はいずれも仙台湾に注ぎ、中〜下流域では段丘の形成も著しい。
 仙台平野は県央部を中心に開析する松島丘陵によって南北に分断されており、北部は登米、石巻、大崎などの低地を、南部は名取平野、亘理海岸平野などを成す。

 

●地盤
・山地
 各種岩盤類が基盤を形成し、その上位に粘性土や岩盤類由来の風化土砂が被覆する。火山地は、非火山性山地の上に成り立っており、熔岩や火山砕屑物およびその風化土砂と火山泥流堆積物などにより構成される。
 宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。

・丘陵地
 固結度の比較的進んだ軟岩系の泥岩、砂岩および凝灰岩を基盤とし、一様に安定した地盤を形成する。火山地山麓(丘陵地)一帯には火山性岩石が広く分布しているため、整地困難な場合もある。
 宅地利用に際しては、表層付近に分布する黒ボク土(有機質土)の層厚に十分な注意を要する。また、造成による地盤状態の改変にも配慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスを慎重に検討する必要がある。

・低地
 主要河川の中〜下流域に発達する内陸性の沖積低地で、氾濫平野、三角州性低地、後背湿地などの諸様相を示す。洪積礫層を基盤とするが、その上位には泥炭や有機質粘土およびシルトなどが互層状に厚く堆積しており、典型的な軟弱地盤を形成する。したがって、基礎形式の選定には慎重な対応が必要である。同様に、仙台湾沿いに形成された数列の砂丘帯の背後には、泥炭、有機質粘土を含む後背湿地が形成されているため、十分な注意を要する。
 ただし、旧河川流域(旧河道)や自然堤防地帯、砂丘帯では、浅い深度より締った砂や礫層が分布し、良好な地盤であることが多い。

 

   参考文献
   「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(宮城県)」(発行:財団法人日本地図センター)
   「日本の地質2 東北地方」(発行:共立出版株式会社)

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最終更新日:2001/06/01