1. 戸建住宅の地盤調査の現状と課題

須々田幸治
(株)アースリレーションズ 技術管理部

はじめに

 ご存じのように我が国の戸建住宅は、木造2階建または3階建が中心であり、構造物の重量が軽いこともあり新築時の地盤調査は、スウェーデン式サウンディング試験(以下SWS試験)が行われることが多い。SWS試験は、戸建住宅の9割以上で実施されており、本協会で毎年実施している市場規模把握アンケートの結果では、協会員の市場占有率は約8割と推定され、本協会および協会員が、実務における地盤調査の品質を担っているといっても過言ではない。
 本協会は、SWS試験の品質向上、ペーパーロケーションの重要性などを唱え、不同沈下事故の撲滅を目指してきた。しかし、近年の地震や豪雨による地盤災害等から顧客ニーズの変化も予想され、多様なニーズに合わせた地盤調査・解析方法を選択する必要があり、すべて事象をSWS試験の結果から説明するのは難しい場合がある。
 本連載は、SWS試験をはじめ小規模建築物の計画時に行われている地盤調査法を毎号取り上げ、各調査方法の特徴を分かりやすく解説し、留意するべきことや不得意とすることを挙げ、可能ならば対策方法も記述することになる。本号は、戸建住宅の地盤調査の現状と課題について思いつくままに書かせていただいた。

地盤調査法の例

 

 

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