山梨県の地形・地盤


山梨県の市 山梨県の地形・地盤
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●地形
 山梨県は、日本列島中央付近に位置する内陸県で、主に県央部の甲府盆地を形づくる低地とこれを囲む山岳地形より成り立つ。

 県土の80%以上を占める山地は、北−北東部に八ヶ岳(標高2899m/赤岳)、雲取山(標高2017m)を擁する関東山地、西部に駒ケ岳(標高2967m)を擁する赤石山脈、巨摩山地、身延山地、さらに南−南東部では富士山(標高3,776m)および山麓部とその北側に展開する丹沢、御坂、天子山系など。このうち、関東山地南面(八ヶ岳から笛吹川までの一帯)と富士山およびその山麓地域は火山地*1である。

 丘陵地や台地、段丘状地形などのいわゆる洪積地形の分布は、盆地外縁の山麓地に限られ、その範囲は狭い。ローム土の被覆は駒ケ岳北東山麓や塩山付近などに限定される。

 一方、北から釜無川、東から笛吹川が流入合流する甲府盆地は、大量の土砂が供給されて、広く沖積低地を形成する。盆地中央部(概ね甲府市街から河川合流付近まで)では細粒土砂を主体とする三角州性低地が発達し、その外郭域では粗大な砂礫などを主体とする扇状地性低地が広く分布している。なお、県内の河川流路はそのほとんどが砂礫質で構成されている。

*1.富士山裾野に見られる富士五湖(東から山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖)は、噴火によって流出した溶岩流が川を堰き止めてできたと言われている。

 

●地盤
・山地
 各種岩盤類などで形成された基盤を成す。低山地や山麓部では火山灰に由来する黒ボク土や森林性有機質土、火山礫や軽石などが被覆する。
 宅地地盤としての性状は、形成年代や開発状況(土種、層厚、成層状態)により異なるので、注意が必要である。一般に、黒ボク土や森林性有機質土が厚い場合、固結土層が存在する場合、傾斜地を造成する場合には、慎重な基礎選定を要する。

・丘陵地、台地、段丘
 岩石や砂礫で構成される丘陵地、台地、段丘。山麓端部の河川流域にわずかに分布する。火山灰由来の黒ボクや火砕流堆積物、浸食二次堆積土が被覆することが多い。
 住宅地盤を想定した場合、浅い深度から密実な礫質層が確認される場合は、問題は少ないと言えるが、堆積状況が不均質な場合には十分な注意が必要となる。

・低地
 河川によりもたらされる土砂を主体とし、火山性の砂や砂礫、砂質シルトなどを混在する。構成土の性状により、礫質の扇状地性低地と細粒土からなる三角州性低地の二つに大別される。
 住宅地盤を想定した場合、軟弱層の層厚や礫地盤の安定性に留意する必要があり、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。

 

   参考文献
   「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(山梨県)」(発行:財団法人 日本地図センター)
   「日本の地質4 中部地方I」(発行:共立出版株式会社)

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最終更新日:2004/11/24