大阪府の地形・地盤


大阪府の地形・地盤

大阪府の地形・地盤

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●地形
 大阪府は、西面で瀬戸内海(大阪湾)に臨み、北面、東面、南面の各境界に沿って北摂山地、生駒・金剛山地、和泉山地が取り囲む盆地構造の上に成り立つ。
 主に、淀川以北の北部域には山地・丘陵地が、中央部には沖積低地が、現大和川以南の南部域には丘陵地・台地が分布する。また、大阪湾に面した沿岸地域は古くから埋立てが施されており、自然の海岸は全海岸線の1%程度しか残されていない。
 北部一帯には北摂山系の低山地(標高500m前後)が展開している。また、吹田市・豊中市付近には標高100m程度の小起伏丘陵が形成されており、千里丘陵と呼ばれる。
 淀川流域と現在の大和川流路に挟まれる中央部は、南方より延長する上町台地(中位段丘面)の東西に沖積低地が発達する。台地西方には波食台を伴う海成の低地が形成されている。一方、台地東方に広がる低地は、7,000万年程前に存在していた内海(河内湾)が淀川や大和川水系*1の運搬土砂の影響により、湖沼化を経て、徐々に埋積、陸化したものである。また、旧大和川の中流域では柏原付近を扇頂として、北西方向へ同心円状に発達した扇状地が形成されている。
 南部では、和泉山地に沿って小起伏の山麓丘陵や段丘面を成す台地(泉北丘陵、泉南台地など)が広範囲に分布しており、台地の一部は北方へ突堤状に延長して、上町台地を形成する。
 なお、自然の地形ではないが、府内には古くからの治水事業の結果として、南部丘陵地帯を中心に、生駒山系や北摂丘陵地帯を含め、1万数千ヶ所ものため池が点在する。

*1.現在の大和川は直線的に西流して、上町台地を横断、大阪湾へ注いでいるが、現在の流路となったのは江戸初期の治水事業「大和川付替え」によってであり、それまでは柏原付近から上町台地の東方を北流し、淀川へと合流していた。(詳細は下記リンク先を参照下さい。)

 

●地盤
・山地
 各種岩盤類や礫層が基盤を形成し、その上位に粘性土や岩盤類の風化土砂が被覆している。宅地利用を想定すると、造成が伴うため、自然地盤と人工的な盛土部のバランスに注意する必要がある。

・丘陵地・台地
 段丘礫層が基盤を形成し、その上位に砂質土や粘性土、風化礫などが被覆している。宅地利用を想定した場合、比較的良好な地盤を形成すると考えられるが、海成泥土や砂質土などが互層状に堆積することもあり、注意を要する。また、造成が伴う場合は、自然地盤と人工的な盛土部のバランスに注意する必要がある。

・低地
 河内湾起源の沖積低地および湾岸地域では、砂質土・粘性土主体または互層状に堆積した軟弱地盤が発達しているため、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。

 

   参考文献
   「日本の地質6 近畿地方」(発行:共立出版株式会社)
   「縮尺20万分の1 土地分類図(大阪府)」(発行:財団法人日本地図センター)
   「地質と調査 通巻第55号―大阪府の地盤―」(発行:株式会社土木春秋社)
   参考Web

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最終更新日:2001/07/05